Bluetooth無線に関する海外各国の認証・電波法について

「認証済みBluetoothモジュールを組み込んだときにどうすれば良いのか?」
電波法や海外認証について詳しく知りたいメーカーエンジニアの方には、定期的にセミナー『メーカーエンジニアが知っておくべき電波法・Bluetooth認証の基礎知識』を開催しております。セミナーに関する情報はこちらのページをご覧ください。

海外へBluetooth製品を出荷するためには何が必要でしょうか?

自社で開発したBluetooth製品を海外で利用するためにはどうすれば良いですか?

A.利用する国ごとの認証・電波法が必要です。

 

ここ最近、開発したBluetooth機器を海外に出荷したいというお問い合わせが非常に増えています。認証済みBluetoothモジュールを組み込んでいる場合、日本国内で利用している分には認証を意識しなくて良いため、海外の認証をどうすればクリアーできるかという点が海外出荷を検討する上で避けては通れない高いハードルとして立ちはだかります。
海外各国の認証・電波法について

ここでは自社で開発したBluetooth製品を海外で利用するためにはどうすればよいのか、その点について解説していきます。
日本国内の電波法の仕組み・Bluetooth認証に関する解説はこちらのページへ

尚、本ページは2013年3月現在の情報を元に掲載しています。
認証や電波法は改定に伴い、ルールが変更される場合があります。予めご了承ください。

認証・電波法は無線機器を利用したい国ごとに取得する必要があります

電波法は自動車免許に似ています

ここで例え話をします。例えばクルマを運転したい場合、自動車運転免許が必要ですね。教習所に免許を取りに行って、取得できればクルマを運転できるようになります。このとき、日本国内で免許を取得したとして、海外でもクルマを運転できるでしょうか?

そうです、日本の免許では海外で運転することはできないのです(国際免許などは除く)。もし海外でもクルマを運転したければ、その国ごとの免許を取得する必要があります。

無線の認証も同じです。無線機器を利用したい国ごとに認証取得が必要になります。もし5カ国で利用したければ5つ、20カ国で利用したければ20カ国分の認証を取得しなければなりません。

認証・電波法は国ごとに定められているルールが異なります

認証や電波法は国の法律で定められています。よって国ごとに認証の内容も異なります。出力可能な電波強度の上限や使用できる周波数、取得費用や取得期間も様々です。認証の有効期間が定められているところもあります。

その中でも特に重要なのが「無線モジュール単体で認証取得ができるかどうか」という点です。 無線に関する認証・電波法は無線モジュールがどう扱われるかによって3つのタイプに分類できます。

認証・電波法は3つのタイプに分類

無線モジュール単体で最終製品としての認証取得が可能

無線モジュールが最終製品として認証を取得できるため、最終製品での届出が不要という一番ラクなタイプです。代表的な例が日本です。日本の電波法(技術基準適合証明・工事設計認証)は無線モジュール単体で最終製品としての認証取得が可能なため、ZEALシリーズのような「認証済みBluetoothモジュール」が可能となります。その他、アメリカやカナダもこのタイプに該当します。

代表例 日本・アメリカ・カナダ

最終製品としては不可だが、モジュール単体でRF試験が可能

無線モジュール単体では最終製品としての認証取得ができないため、必ず最終製品(自社製品)での申請が必要となりますが、無線モジュール単体で行ったRF試験の試験結果を流用することができるタイプです。単体でRF試験を行ったことがある無線モジュールを組み込めば、申請の際にその試験結果を利用することで最終製品としてのRF試験をパスすることができます。代表的な例がヨーロッパや韓国です。

代表例 ヨーロッパ (EU)・韓国

申請ごとに最終製品でのRF試験が必要

申請ごとに最終製品でのRF試験が必要という一番大変なパターンです。中国がこのタイプに該当します。

代表例 中国

代表的な国・地域の認証概要

代表的な国・地域ごとの認証概要を示します。これらの情報は当社が各認証機関や関係各所から独自に得た情報に基づいており、お問い合わせ先の認証機関やご担当者によって見解・回答が異なる場合があります。正式な情報は必ず認証機関へご確認ください。

特に認証に関する費用は

  • 代行先の認証機関(手数料等が異なるため)
  • 使用する無線規格(周波数帯)
  • 製品のカテゴリー(どのような類の製品なのか?)
  • 為替(現地通貨で支払う場合あり)

等によっても異なりますのでご注意ください。

電波法関連の認証の他にも、輸出・関税・EMC関連等の認証が求められる場合があります。
逆に使用目的や使用環境によっては認証が不要な国もあります。
下記内容は参考情報としてご覧ください。

アメリカ / カナダ(北米)

国(地域) アメリカ / カナダ
管轄機関・規格 FCC / IC
モジュール単体取得 可(最終製品としてOK)
取得費用 100〜150万円程度
取得期間 3〜6週間程度
メモ 日本と同じで無線モジュール単体で最終製品としての取得が可能。製品に組み込んだ場合は筐体やマニュアルへロゴ貼付が必要。

ヨーロッパ・欧州

国(地域) ヨーロッパ・欧州(EU加盟国)
管轄機関・規格 CEマーキング(R&TTE指令)
モジュール単体取得 R&TTEは無線モジュール単体で試験できるが、自己宣言するためには最終製品で他の適合試験が必要。
取得費用 100〜200万円程度
取得期間 3〜6週間程度
メモ EU加盟国内で無線装置を扱うためにはEU指令に適合しているという自己宣言が必要(CEマーキング)。EU指令の中にはいくつかのカテゴリーがあり、無線試験はR&TTEと呼ばれる。R&TTEの試験結果(レポート)はヨーロッパだけではなく、世界各地の認証試験で流用できる場合がある。

中国

国(地域) 中国
管轄機関・規格 SRRC
モジュール単体取得 不可
取得費用 60〜130万円程度
取得期間 12〜15週間程度
メモ 製品のカテゴリーによってはCCCが必要な場合もある。CCCの費用は別途100万円程度。

韓国

国(地域) 韓国
管轄機関・規格 KCマーク(旧KCC)
モジュール単体取得 RF試験のみ可
取得費用 60〜80万円程度
取得期間 4〜6週間程度
メモ 必ず最終製品での認可が必要。ただし、RF試験済みの無線モジュールを組み込んだ場合にはRF試験は免除となる。別途EMCが必要となる場合あり。

ロシア

国(地域) ロシア
管轄機関・規格 minsvyaz(RF)
モジュール単体取得 可(都度確認が必要)
取得費用 50〜70万円程度
取得期間 8週間程度
メモ 規制が頻繁に変わるため、基本的に都度確認が必要。製品カテゴリーによって別途EMC関連のGOST-Rが必要になる場合がほとんど(40〜60万円程度)。R&TTE/FCCレポートが流用可能。

オーストラリア

国(地域) オーストラリア
管轄機関・規格 ACMA
モジュール単体取得 可(条件付き・都度確認が必要)
取得費用 10〜15万円程度
取得期間 4週間程度
メモ 製品カテゴリーによって試験などが異なるため、基本的には都度確認が必要。R&TTE/FCCレポートが流用できる場合も。

インド

国(地域) インド
管轄機関・規格 Ministry of Communications
モジュール単体取得 不可(最終製品での認証が必須)
取得費用 30〜50万円程度
取得期間 4〜6週間程度
メモ 規定上「販売する製品には認証が必要」とされています。よって使用目的次第では認証が不要な可能性があります。2.4GHz帯には免除規定あり。ただし、当局への都度確認と輸入許可申請が必要。R&TTE/FCCレポートの流用可。

海外認証取得をお手伝いしています

当社ではこれまでにお客様の海外認証取得をお手伝いした実績があります

auther当社BluetoothモジュールZEALシリーズをご利用いただいているお客様を対象に海外認証取得のお手伝いをしております。自社製品を海外出荷する場合に必要となる認証について、詳しい情報をご希望されるお客様には認証機関をご紹介することも可能です。まずは当社までお気軽に御相談ください。

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